所 信

2026年度

一般社団法人因島青年会議所
理事長 柏原圭佑

【基本方針】

  • 自ら成長し地域の力となる人づくりの実践
  • 規律ある組織運営と伝統の継承による強い組織づくり
  • 地域から求められる青年会議所の確立
  • 全員参加による会員拡大

【はじめに】

我々に「停滞」や「現状維持」という選択肢はありません。

昨年度、我々は再起動を意味する「Reboot!!」をスローガンに掲げ、拡大活動により減少した当青年会議所の会員数を増加させ、対外事業を実施することで人口減少やコロナ禍で絶たれた地域の人々の交流を促進するべく運動を行ってまいりました。成功したといえる部分もありますが、それは下降傾向にあったものを少し上向きにしただけに過ぎず、元気なまち、明るい豊かな社会を作り上げたわけではありません。人口減少、高齢化、転出超過といった国や県の課題は相変わらず目の前に横たわっています。今までの延長線上ではこの強烈な下降圧力から抜け出すことができないことは明確です。となれば今までとは切り口を変え、手と足を動かし続けていかなければなりません。

そこで、本年度は加速、押し上げる、高めるといった意味を持つ「Boost!!」をスローガンとすることにいたしました。新たな挑戦を恐れず、仲間と共に地域の未来を力強く押し上げ、次代へと誇れるまちを創るために邁進していきましょう。

 

【私たちはここにいる】

因島市が尾道市と合併して20年が経ちました。つまり因島に対する意思決定機関が島の中心に無くなってそれだけの長い時間が経ったということです。もちろん合併による恩恵はあります。しかし、まちづくりという観点ではどうしても行政と近い距離感で足並みを揃えて動くといったことは難しくなったことは否めません。実績や根拠と呼べるものがなければ地域の要望も通りづらくなっていくでしょう。

それ故に、我々のような地域に根差した団体が自分たちの存在感を示し続け、実績を積み上げていき、自分たちのまちにはこれがある、という共通認識を作り上げていく必要があります。それは小さなイベントでも良いと思います。地域の方々と連携し、その魅力を大きく育てていく継続的な循環を作り出すことが必要です。そうなった時、「私たち」という言葉は青年会議所のメンバーだけを示す言葉ではなく地域の人々も含んだ言葉に変化しているはずです。それが明るい豊かな社会を創り出す『主語』となると考えています。青年会議所のメンバーの力だけではまちを劇的に変えることは難しいでしょう。しかし、そのスターターの役目を担うことはこれまで幾度も行ってまいりました。引き続き、そしてより力強くまちを巻き込む運動の起点となることを目指します。

 

【人づくり】

青年会議所の根幹は「人づくり」にあります。まちを動かすのは制度や仕組みではなく、地域の最小構成要素である個人です。だからこそ、私たちはまず自らが成長し続ける存在でなければなりません。これまでの経験を振り返れば、私たちは挑戦の中で多くの学びを得てきました。時には失敗し、壁にぶつかることもありますが、その一つひとつが次の成功の礎となっています。本年度は、個々の成長が組織の成長、そして地域の発展へと繋がるよう、メンバー一人ひとりが目的意識を持ち、能動的に学び、考え、行動する機会を積極的に創出していきます。

そのためにも、各メンバーには自分がどのようになりたいか考え、もし成長の機会に出会うことがあれば勇気をもって飛び込んでいくことを望みます。

 

【規律ある組織運営】

青年会議所のメンバーはそれぞれ本業や私生活を持ち、限られた時間の中で活動時間を捻出しています。そのような中でメンバーが力を合わせて活動するには規律ある効率的な組織運営を行う必要があります。因島青年会議所には歴代の諸先輩が作り上げ、磨き上げてきた仕組みがあります。良いところは継承し、改善した方がよいものは現状に沿って改め、委員会、理事会運営やそれの下地となる報連相や確認作業を密に行える風通しの良い組織にしていきたいと考えています。

特に本年度以降は経歴の浅いメンバーが主体となり組織運営を行うこととなります。因島青年会議所が伝統と文化と精神を引継ぎ、更に洗練された団体となるような組織づくりを目指しましょう。

 

【会員拡大】

昨年度、我々は拡大活動を通じて新たな仲間を迎え入れることができました。しかし、青年会議所は制度上40歳で卒業となるため継続的な会員拡大は不可欠です。本年度は拡大委員会を設置しておりませんが、因島青年会議所の会員全員が自分たちの仲間を増やすという意識を持って会員拡大に取り組んで頂きたいと考えています。そのためにも普段とは違うところへ行ってみたり、まちのイベントに参加してみるなどアンテナを立てる意識を持って頂きたいと考えています。

また、因島青年会議所の認知度も決して高い状況ではないことも明らかになってまいりました。少し遠回りになるかもしれませんがまちづくりを通じて青年会議所の運動を周囲に理解してもらうことで、結果的に会員拡大につながると信じています。

 

【結びに】

「Boost!!」という言葉には、力強く押し上げ、前に進むという決意を込めました。私たちはこのまちの可能性を信じています。人が集まり、挑戦が生まれ、笑顔が循環するまちそれを実現するために、私たちは止まることなく行動し続けます。青年会議所の活動は決して派手ではありませんが小さな一歩の積み重ねが未来を変える力になると考えます。仲間と共に協力し、これまで培った信頼と情熱を“加速力”に変え、次の世代へと希望のバトンを渡していきましょう。